「泣く子はいねが~」祝☆ユネスコ無形文化遺産登録!

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早いもので今年も残すところあと1ヶ月強となり、皆様におかれましては、東奔西走の時期をお迎えのことと存じます。
さて、強面の面と藁の装束に包丁と桶をもって「泣く子はいねが~」と集落の子のいる家々を巡って怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす、年の節目にやってくる秋田・男鹿半島の来訪神「なまはげ」をご存知の方は多いと思います。
この「なまはげ」が、この度、2009年に単独で登録されている甑(こしき)島(鹿児島県)のトシドンを含む他の9の来訪神とスクラムを組んでユネスコ無形文化遺産登録(登録名:来訪神:仮面・仮装の神々)の勧告を受けていて、この「登録」によって国内外からの注目が集まり、伝承行事の担い手不足の解消への望みをかけている関係者たちがまさに今、大きな期待を寄せています。
あいにく本日11月29日の未明(日本時間)にモーリシャスで開催されている会議で登録決定となる予定でしたが、先の審議に時間がかかり、11月29日午後2時(日本時間)からの審議に持ち越しとなり、各関係者の歓喜の瞬間がお預けとなっております。(ブログ更新までに結果がわからず残念です。)

秋田県は、高齢化率36.3%、1000人あたりの死亡率15.5人(全国最高)、出生率5.4人(全国最低)の超少子超高齢社会に直面し、日本社会の25~30年先を行く縮図といわれています。なまはげが回る家庭に子がいなくなり、反面一人暮らしの高齢者が増加。時代にあわせてある集落では、なまはげが独居男性の家庭を訪問し、優しい語りで安否確認をしているそうです。少子化による働き手、労働力が不足する一方、高齢化により介護需要が増大しているにのかかわらず、配置基準が厳格に定められている介護施設は閉鎖、休止を余儀なくされ、また出産できる病院がなくなるなどの負のスパイラルが起きています。その反面、県下の企業の3分の1は従業員が70歳を越えても働けるような仕組みが出来上がり、70歳以上の就労割合は全国で最も高い比率となっています。近い将来にむけて私たちも見習うべきスキームがあるのではと思います。

10月19日に、政府が継続雇用年齢を65歳以上に引き上げる法改正に向けて、企業に対して70歳までの雇用を促すための計画の策定を義務付けることを検討していることがわかりました。また厚生労働省も社会保障審議会を開き、高齢者の就労拡大に合わせて年金制度を見直す議論を始め、現状の60~70歳の間で受給開始年齢を選べる仕組みについて70歳を超えても受給開始できるようにすることがすでに決まっているようで、上限年齢が焦点になっているようです。継続雇用制度や年金制度にかかる法改正情報については、随時、ご案内をさせていただきたいと思います。

さて、話を元に戻しますが、トシドンなまはげの他、今回の登録対象となっている怠け者を戒め、人々に幸や福をもたらす日本の来訪神は、アナメハギ(能登)・パーントゥ(宮古島)・遊佐の小正月(山形)・米川の水かぶり(宮城)・見島のカセドリ(佐賀)・吉浜のスネカ(岩手県)・薩摩硫黄島のメンドン(鹿児島)・悪石島のボゼ(鹿児島)です。私は、なまはげしかわかりませんでしたが、皆様はいくつご存知でしたか?この度のユネスコ無形文化遺産登録で来訪神の伝承が世代から世代へ受け継がれた地域の人々の絆がより強固となり、地域の活性化の一助となるようお祈りしたいと思います。

皆様におかれましては、インフルエンザが猛威を奮う時期になりますので、お早めの予防対策等でご自愛下さいませ。今回も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。Homma 🙂