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最近の気になる労務関連のことについて

■令和元年5月にパワーハラスメント対策が法制化されましたが、2019年11月パワハラに関する指針の素案が厚労省により公表されました。

指針の素案としては・・・
職場におけるパワーハラスメントの内容として
① 優越的な関係を背景とした言動であって、
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③ 労働者の就業環境が害されるもの
① から③までの要素を全て満たすもの
とあります。

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しません。
また、職場の定義としては労働者が通常労働をしている以外の場所であっても、業務をしている場所については職場に含まれるとあります。
そして、対象の労働者は正社員だけでなく非正規社員や契約社員も含まれるとされています。

現在、厚労省がパワハラの6類型として以下を示しています。
1. 身体的な攻撃
2. 精神的な攻撃
3. 人間関係からの切り離し
4. 過大な要求
5. 過小な要求
6. 個の侵害

上記の6類型の言動により労働者が就業する上で見過ごすことができないほどの支障があり、社会一般の労働者の多くが同様の状況下で感じるような言動であるかがパワハラに該当する基準となります。

年内に最終案をまとめ該当する例と該当しない例を示し、2020年6月(大企業)、2022年4月(中小企業)にパワハラ防止法が施行されます。

■さて、職場でパワハラが起こると・・・
身体的な暴行はもちろんですが、人格を否定するなどの精神的な攻撃により精神病を患い休職に追い込まれることも多くあります。その後、職場に戻ることができればよいのですが、結果的に職場を奪われ、元の生活に戻れるまで長期間苦しまなければならないこともあります。

また、パワハラが起きている職場で働く他の労働者にとっても、その現場を見ているだけで何もできない自分に苦しむことがあるかもしれません。

そして、企業にとっては労働力が不足するだけでなく職場環境の悪化を招き、場合によっては損害賠償によって責任を果たさなければならない状況に追い込まれることがあります。

業務においては指示や指導は不可欠であり、指示をあいまいにすることによって労働災害を引き起こすことも想定されます。
しかし、各自が相手に向かって何かを伝えるときには、その人格を否定することは避けなければならず、必要範囲を超えていないかを常に認識することが大切なことではないでしょうか。

快適な職場環境の整備のために社会保険労務士としてお役に立てることも多いとを考えています。

さて、東京はだいぶ寒くなってきました。今年は気象による大災害があり被害にあわれた方も多いと思います。
例年よりもインフルエンザの流行が早いようですが残すところあと1か月、体調管理に気を付けて2020を迎えたいと思っています。
皆様もどうぞお身体お大切になさって下さい。
Kasahara