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こんな時はどうする?コロナ禍における労務管理相談例

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1月7日に緊急事態宣言が再発令される等、新型コロナウイルス感染拡大はまだまだ続き、出口が見えない状態となっています。テレワークや休業命令等、労務管理にも大きな影響が生じていますが、コロナ禍における労務管理の相談事例をご紹介します。

相談例① 海外旅行のため有給休暇を取得
相談例② 海外出張後の自主隔離期間
まとめ

■相談例① 海外旅行のため有給休暇を取得

従業員より長期の有給休暇申請があり、状況を簡単に確認したところ海外旅行に出発するとのことでした。もちろん渡航制限がある国への旅行ではなく、入国時の自主隔離等も基準に応じて対応するということでした。
万が一、海外旅行により新型コロナウイルスの感染が発覚した場合、業務に支障がでるため、感染防止の点から、時季変更権を行使して有給休暇取得時期の見直しをしていただくことは可能でしょうか?

業務の繁忙等を理由とするものではなく、新型コロナウイルスに感染するかもしれないという可能性の範囲であり、海外旅行自体が100%感染するものではなく行動制限がされているようなものではない、ということを考えると、時季変更権の行使は難しいでしょう。

ただし会社の服務規律や社内ルールとして、「緊急事態宣言中の海外旅行は控える」「5人以上の会食や打ち合わせはしない」という定めをすることは可能です。有給休暇の利用や、有給休暇中の行動を監視・制限することは難しいため、従業員に対して感染リスクの高い行動を控える社内ルールを定めた上で、有給休暇中の行動もルールに従っていただくのが良いかと思います。

また自主隔離期間中は、在宅勤務ができるような状況であるのにもかかわらず在宅勤務を認めないというような場合、休業手当の支払いが必要となる点も注意が必要です。

■相談例② 海外出張後の自主隔離期間

業務のため海外出張を命じていた社員が帰国し、帰国後14日間の自主隔離期間を設けることとなりました。自主隔離期間中に会社の所定休日が重なるのですが、海外出張を命じなければ自主隔離の必要がなかったとして、休日出勤扱いとし、休業手当の支払いが必要となるのでしょうか?

もともと設定されていた所定休日であれば、海外出張や自主隔離の事情とは関係がなく労働義務が無い日と判断されますので、労働義務が無い=休業という取り扱いにはならない、と考えられ休業手当を支払う必要はありません。
今さら聞けない!?休業手当支払義務の落とし穴
ただし従業員としては出張が無ければ自主隔離も必要がなかったという不満につながる恐れもあるため、特別に手当を支給する、代休を認めるといった配慮はあっても良いかもしれません。

■まとめ

新型コロナウイルスの影響はまだまだ未知数な部分もあり、様々なイレギュラー対応が発生することから、労務管理における疑問や相談も増えています。その時の状況に応じた判断や対応が求められますが、判断が難しい相談事例があればまたご紹介します。

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