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過労死ライン見直しに向けた議論が開始!勤怠管理に与える影響とは

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厚生労働省は過労死の認定基準である「過労死ライン」を約20年ぶりに見直し、早ければ来月にも適用する方針を明らかにしました。過労死や過重労働による健康障害は大きな社会問題となっており、2019年には労働基準法改正により時間外労働上限規制が設けられる等、過重労働防止の対策がとられています。本稿では、予定されている過労死ライン見直しの内容と、勤怠や労務管理に与える影響を解説します。

1.過労死ラインとは
2.過労死ライン見直しの内容
3.勤怠管理に与える影響や注意点
4.まとめ

■過労死ラインとは

厚生労働省は、過労死を認定する基準を「過労死ライン」として、通達によりその基準を示しています。基準の内容は次の通りです。

発症前1ヶ月間におおむね100時間又は発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合

上記のような状況があった場合には、業務と発症との関連性が強いと判断されます。
例えば脳血管疾患を発症し亡くなった方が、過労死ラインで定める基準に該当していた場合、業務と脳血管疾患の発症には関連性が強いとされ、脳血管疾患による死亡は過労死‘(業務起因による死亡)と判断される、ということになります。

■過労死ライン見直しの内容

過労死ラインを定めた通達は2001年に通知されたものであり、当時から労働環境は大きく変わっています。「働き方の多様化や職場環境の変化があり、最新の医学的知見に基づき検証すべき」として、過労死ラインの見直しが約20年ぶりに進められることとなりました。
新しい過労死ラインは、残業時間の長さが過労死ラインに達していない場合であっても、それに近い残業があり不規則な勤務等が認められる場合には、過労死と判断するという方向性になっています。具体的には、休日のない連続勤務が続いている、終業時間から始業時間まで十分な休息時間(勤務間インターバル)が確保できていない、というような例が不規則な勤務等として想定されています。過労死ラインの基準引き下げは予定されておらず、現状の基準は維持した上で過労死ラインに相当する状態になっていれば過労死として判断する、という方向となっています。

※2021年7月27日更新
脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会で検討された内容が報告されました。
①過労死ラインに近い残業+一定の労働時間以外の負荷がある場合には、労災認定基準となる。
一定の労働時間以外の負荷・・「休日のない連続勤務」「勤務間インターバルが短い勤務」「身体的負荷を伴う業務」を新たに追加
②短時間の過重業務、異常な出来事がある場合には、労災認定基準となる。
短時間の過重業務、異常な出来事・・「発症前おおむね1週間に継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等

■勤怠管理に与える影響や注意点

過労死ラインの見直しについて、勤怠管理にも影響がありますので注意が必要です。
1ヶ月100時間、複数月平均80時間といった法律で定められた時間外労働上限を超えるような残業をしていない場合でも、過労死として認定を受ける可能性が高くなるため、より厳しい基準で長時間労働になっていないかチェックをする、長時間労働にならないようにタイムリーに勤怠時間を把握する、といった対策が必要となります。現状でも、過労死ラインに達しない場合であっても過労死認定を受けるという事例はあるのですが、過労死ライン見直しによりその事例が増える可能性があります。
また長時間労働になっていなくても不規則な勤務になっていれば過労死認定を受ける可能性が出てくるため、勤怠時間の把握だけではなく不規則な勤務になっていないか、ということを確認していく必要があります。今まで以上に積極的に勤務状況を把握することが必要になるでしょう。

■まとめ

見直しが予定されている過労死ラインの内容と、それに対する勤怠管理の注意点を解説しました。過重労働による健康障害はあってはならないことであり、働き方の多様化・複雑化により、過労死ラインの見直しは必要不可欠です。過労死ライン見直しの方向性にあわせて、適切な労務管理ができるように体制を整備しましょう。

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