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就業規則の見直しをしていますか?就業規則メンテナンスの重要性を解説

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就業規則は最も重要な「会社のルール」です。就業規則を作成している会社は多いですが、定期的に内容を見直し、きちんとメンテナンスができている会社はどれほどあるでしょうか。作成したままの状態で、見直しがされていない就業規則にはリスクも伴います。本稿では、就業規則メンテナンスの重要性について解説します。

1.就業規則とは
2.就業規則のメンテナンスとは
3.メンテナンスのタイミング
4.メンテナンスの方法
5.まとめ

■就業規則とは

就業規則とは、会社と従業員のルールを定めたものです。労働基準法では、就業規則の作成と届出の義務が定められています。

労働基準法第89条
常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、行政官庁に届出なければならない

つまり、常時10人以上の従業員を雇用している場合は、就業規則を作成し、届出を行わなければなりません。裏を返せば10人未満の会社であれば作成や届出は不要ということになりますが、労務トラブルを避けるためにも就業規則を作成することをおすすめします。会社のルールが明確になり、働きやすい職場環境を作るメリットもあります。また、作成した就業規則はしっかりと社員に周知することも、大切なポイントです。

■就業規則のメンテナンスとは

就業規則は一度作成すると、その後はそのままの状態で放置されてしまうことも多いです。
助成金を受け取るために就業規則を作成した、インターネットでサンプルを入手した、けれども、その後は特に何もしていないというような話はよく耳にします。
せっかくの就業規則も不備があると、リスクを抱えてしまうことになります。就業規則の不備が、実際にどのような影響を与えるのか、例として次のような事例があります。

・無断欠勤のまま連絡が取れなくなった従業員がいるので退職してもらいたいが、就業規則で定めた解雇事由に無断欠勤が含まれていないので、解雇することができないと言われた

・インターンとして採用した学生が職場でトラブルを起こしたが、就業規則が適用される従業員の範囲が「正社員」「パート、アルバイト」と定められており、就業規則を根拠に罰則を適用していいのかどうか分からない

・すでに家族手当を廃止しているが、就業規則には家族手当の規定が残っていたため、従業員から家族手当を支払ってほしいと要望があった

労働基準法によって就業規則に定めなければならない内容は決められています(これを絶対的記載事項といいます)。ただし想定される労務リスクは会社によって大きく異なり、また状況の変化により就業規則で定めた内容が実態と異なっていくことも多くありますので、会社の事業内容、従業員数、社会情勢等に応じて、内容を見直し、メンテナンスをしていくことが重要です。

■メンテナンスのタイミング

メンテナンスを行うタイミングは、いくつか考えられます。

①定期的に行う:
年に1度、数年に1度というように、時期を決めて見直します

②法改正時に行う:
重要な法改正があった際に、全体を見直します

③労務リスクが予測される時に行う:
制度改定時や、トラブル発生が見込まれる際に、全体を見直します

当然ながら、上記どれか1つだけを基準にし、メンテナンスを行うだけでは不十分です。時期を決めて定期的に見直しをしていても、法改正の内容が反映されていなければ意味がありませんし、法改正の内容が反映されているのに労務リスクが想定される状況になっていてはメンテナンスとして不十分です。
メンテナンスを確実に行うために、①か②のタイミングで見直しを行うことをおすすめします。

■メンテナンスの方法

就業規則のメンテナンスは、自社で対応する方法と、外部に委託する方法があります。
自社で対応する場合は社内の情報を反映した内容にすることができますが、法改正内容の反映や適法な運用状態を検討するためには専門的な知識が必要となり、かなりの労力を要します。
外部の社会保険労務士など専門家に依頼する場合は委託費用が掛かりますが、最新の法改正や他社事例等も踏まえた内容にすることができます。まずはレビューを行ってもらい、自社の就業規則がどのような状態になっているのか、どの程度の労務リスクがあるのかといいうような点を、チェックしてもらう方法も有効です。社内の状況にあわせて、外部の専門家と協力しながらメンテナンスを進めると効果的です。

■まとめ

日本の雇用環境は目まぐるしいスピードで大きく変わっています。従業員が自分自身の権利について簡単に調べることができるようになり、それを主張する人も増えています。きちんと就業規則を整備し続けることは会社と従業員を守るだけではなく、信頼関係の構築にも大きく貢献します。ぜひ一度、就業規則のメンテナンスを検討してみてください。

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