1. HOME
  2. ブログ
  3. 労務管理
  4. 【社労士解説】2026年4月開始「子ども・子育て支援金制度」のポイントと実務対応

BUSINESS COLUMN

ビジネスコラム

労務管理

【社労士解説】2026年4月開始「子ども・子育て支援金制度」のポイントと実務対応

労務管理

2026年4月、すべての健康保険加入者と事業主を対象とした「子ども・子育て支援金制度」がいよいよスタートします。給与計算の実務や従業員への周知など、企業の人事・労務担当者にとって対応が求められる場面は少なくありません。本稿では、社会保険労務士の視点から、制度の概要・実務上の対応ポイント・運用上の注意点をわかりやすく解説します。

1.子ども・子育て支援金制度の概要
2.実務上の対応ポイント
3.運用上の注意点
4.まとめ

■子ども・子育て支援金制度の概要

「子ども・子育て支援金制度」は、深刻化する少子化問題に対応するため、子育て世代を社会全体で支えることを目的とした新しい仕組みです。根拠法は2024年6月に成立・公布された「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」となります。
子ども・子育て支援金支援金は、健康保険の保険料とあわせて徴収されます。つまり、全世代と企業が負担し、財源を確保する仕組みです。
集められた財源は、こども家庭庁が所管する「子ども・子育て支援特別会計」で管理され、子育て以外の目的には使用できません。主な使途は以下のとおりです。

  • 児童手当の抜本的拡充(2024年10月施行済)
  • 妊婦のための支援給付・出産時の10万円給付(2025年4月施行済)
  • 出生後休業支援給付・育児時短就業給付(2025年4月施行済)
  • こども誰でも通園制度の給付化(2026年4月施行)
  • 国民年金第1号被保険者の育児期間中の保険料免除(2026年10月施行予定)

徴収規模は段階的に拡大され、2026年度は約6,000億円、2027年度は約8,000億円、2028年度には約1兆円規模となる予定です。

■実務上の対応ポイント

子ども・子育て支援金は、2026年4月分の保険料より、健康保険料・介護保険料(40歳以上65歳未満)とあわせて徴収されます。多くの会社では給与支給日の翌月に保険料を給与天引きする処理を行っておりますので、翌5月に支払われる給与から控除されるケースが多いです。
なお、任意継続被保険者・特例退職被保険者は2026年4月納付分から徴収となります。

毎月の負担額は「標準報酬月額×支援金率」で計算します。2026年度の支援金率は約0.23%で、段階的に引き上げられ、2028年度には約0.4%が見込まれています。企業にお勤めの方は、健康保険料と同様に労使折半となります。

こども家庭庁の試算(出典:こども家庭庁「令和8年度の支援金額(試算)」)によると、2026年度の被用者保険(本人負担分)の目安は以下のとおりです。

  • 年収200万円:月額 約192円
  • 年収400万円:月額 約384円
  • 年収600万円:月額 約575円
  • 年収1,000万円:月額 約959円

■運用上の注意点

子ども・子育て支援金制度の開始に伴い、労務管理においていくつかの運用上の注意点があります。

①給与計算・システム対応

健康保険料については、給与明細等で控除金額を従業員に明示しなければなりません。
子ども・子育て支援金については、こども家庭庁からは経済団体への事務連絡で「協力をお願いしたい」との表現に留まっており、給与明細等への明示は義務とはされていません。ただし何らかの方法で従業員に周知することが望ましいとされています。
また、2026年4月分の健康保険料での徴収開始となるため、既存の健康保険料率の変更時期と月ずれが生じる場合があり、4月と5月の給与計算で保険料率を変更しなければならない可能性があります。
令和8年度保険料額表(協会けんぽ)
原則として毎年3月が健康保険料・介護保険料率の改定時期となっています。
自社開発の給与システムをお使いの場合は、早めにシステム改修の方針を確認しておくことが重要です。

②産休・育児休業中の免除

企業の従業員が産前産後休業や育児休業を取得している場合は、健康保険料や厚生年金保険料と同様に子ども・子育て支援金も免除されます。
また企業が従業員に賞与を支給した場合も、健康保険料や厚生年金保険料と同じく子ども・子育て支援金の控除が必要となります。

③従業員への丁寧な説明

支援金は子どもを持たない従業員や高齢の従業員からも徴収されるため、制度導入の背景や使途について社内で丁寧に説明することが従業員の不公平感を防ぐうえで重要です。

■まとめ

子ども・子育て支援金制度は、企業の給与計算実務・システム対応・従業員周知など、多岐にわたる実務的な影響をもたらします。制度の詳細や対応方法についてお悩みの際は、ぜひ汐留社会保険労務士労務士法人までお気軽にご相談ください。社会保険労務士が貴社の状況に合わせた具体的なアドバイスをご提供いたします。
汐留社会保険労務士お問い合わせフォーム

※本コラムは2026年4月時点の情報に基づき作成しています。今後の法令改正等により内容が変わる場合がありますので、最新情報は必ずこども家庭庁や各保険者の公式情報をご確認ください。

関連記事